今にも死にそうな元カレに会いに行く(42)

ストーリー
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ふたりの今西

前回の続きです。

前回は→こちらから

頼が辛いときは入れ替わり・・・

・・・つづく

今西くんの過去

今西くんは自分の過去の話をポツポツとし始めた。

アヤはなんとなく、遼が「おじいちゃんと二人暮らしであること」、

「両親とも事故でなくしたこと」くらいしか知らなかった。

そこに双子の兄がいたなんて・・・。

 

今西くんの兄、今西 頼(いまにしらい)は母方の伯父に

ひきとられた。もともとはともに父方の祖父(祖母はすでに他界)

にひきとられる予定であったが、祖父が一人暮らしであること、

年齢や経済的な理由などの横やりが入り、母方の伯父がをなかば強引に

ひきとった。

遼が言うように、伯父は事業が傾いており、資金繰りに苦労していて、

頼の保護者としての相続した保険金の管理を狙っていたのだった。

伯父にとっては、はお金以外は邪魔な存在でしかないので、

ことあるごとに辛くあたっていた。のそんな状態を聞くたびに

心を痛めていた。

なんとか、耐えていたも、時に心折れそうになることがあり

かといって伯父の家を出ることもかなわず、苦しんでいた。

そんな時、双子の兄弟であるが1~2日でも変わり身となることで、

なんとかその苦しさを緩和していた。

入れ替わりをしても伯父一家に気づかれることはなかった。

祖父は気づいていたようだったが、知らないふりをしてくれていたらしい。

高校生になったは、伯父の家をでて、寮に入った。

これで伯父一家からようやく離れることができた。

それから、はちょくちょく、学校が休みの時にはが暮らす

祖父の家に遊びにきたり、泊りに来たりするようになった。

も、がくること、兄弟で一緒に過ごせることは嬉しかった。

は、学校でのこと、バイトのこと、恋愛のことなんでも話したり

相談したりした。お互いにどんな生活をしているのか、どんな友達がいるのか

など詳しく知っていた。が、中学生の時以来、入れ替わることはなかった。

 

しかし、アヤととのデートの前の日に、ある出来事が起こった。

は、思い返しても「ああ・・・」と苦しくなる出来事・・・。それは・・・

・・・次回につづく。

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